■ まず押さえたい「評価」の2つの目的
相続でいう「評価」には大きく2種類あります。
- 手続きのための目安(遺産分割・家庭内の合意・各種名義変更に使う概算)
- 相続税申告のための評価(税法に基づく専門的な算定)
同じ財産でも、税務評価は計算ルールが別で、結果が大きく変わることがあります。手続きの段階では概算、税務が必要なら税理士と連携、という進め方が安心です。
■ 不動産の評価(土地・建物)
- 手続き上の目安
名寄帳や固定資産税課税明細書の「固定資産評価額」を基準に概算。遺産分割の土台づくりに使うことが多いです。
- 税務評価の考え方(概要)
土地は地点や形状で評価方法が異なり、一般に地価水準(路線価・倍率方式 等)や形状補正を加味して算定。建物は固定資産評価額等を起点に扱われます。
※地積が登記と現況で違う、私道負担がある、無道路地・造成費がかかる等は評価が大きく変わり得ます。
- 実務の注意点
地積測量図や公図、登記事項証明書、固定資産評価証明書を早めに収集。境界不明・未登記増築は、後工程(登記・税務)で詰まる要因です。
■ 株式・投資信託など金融商品の評価
- 上場株式
手続きの概算は死亡日近辺の価格で把握。税務では所定の評価方法(基準日や一定期間の価格の取り扱い 等)に従います。
- 投資信託
基本は基準価額×口数で把握。分配金の扱いや外貨建ての換算時点に注意。
- 非上場株式
会社の資産・利益・配当などから特有の計算式で評価(専門性が高い領域)。
- 実務の注意点
証券会社の残高証明書(死亡日基準)を取得。NISA・特定/一般口座の別、未受領配当の有無、外国証券・外貨建ての換算日も確認。
■ 預貯金の評価
- 評価の基本
死亡日時点の残高が基準。普通・定期・外貨預金とも同様で、外貨は死亡日時点の為替で円換算。
- 実務の注意点
銀行ごとに残高証明書(死亡日基準)を請求。満期前定期の中途解約利息、振替途上取引、未入金の年金・給与などの有無も確認します。
■ 相続人間の話し合いと評価の使い分け
- 遺産分割では、まず概算評価で方向性を合わせ、配分案を固めます。
- 相続税の申告が必要な場合は、税務評価に置き換えて精緻化。評価差が出たら、金銭調整(代償金)等で最終調整します。
- 共有のまま残すと将来の売却・担保設定に不便。評価が固まったら早めの名義整理がスムーズです。
■ 小樽つちや行政書士事務所でお手伝いできること
- 財産目録の作成、固定資産評価証明書・残高証明書等の収集
- 遺産分割協議書の作成支援(評価の考え方を整理して明記)
- 不動産登記(司法書士)・相続税申告(税理士)とのワンストップ連携
※税務評価の算定・税額計算そのものは税理士の業務です。必要に応じて信頼できる税理士をご紹介します。
■ おわりに
評価は「分け方の合意」と「税務の正確性」を結ぶ要(かなめ)です。
まずは概算で全体像をつかみ、必要に応じて専門家連携で精密化——この順番で進めると負担が軽く、ミスも防げます。
小樽つちや行政書士事務所が、評価資料の整備から協議書作成、他士業連携まで丁寧にサポートします。お気軽にご相談ください。