前回のコラムでは、配偶者が亡くなった方の自宅に「終身」住み続けることができる制度として、「配偶者居住権」をご紹介しました。
(前回のリンクはこちら)
【相続コラム⑭】配偶者居住権とは?~「住み続けたい」という思いを守る、新しい権利~ – 小樽つちや行政書士事務所
実は、これとは別に、一定期間の間、自宅に無償で住み続けられる「配偶者短期居住権(たんききょじゅうけん)」という制度もあります。
このコラムでは、その内容と、「配偶者居住権」との違いについてわかりやすく整理してみましょう。
配偶者短期居住権とは、被相続人(亡くなった方)の所有する建物に、配偶者が相続開始時点で居住していた場合に限り、一定期間引き続き無償で住むことができる権利です。
これは、配偶者が突然住む場所を失ってしまうことのないように、法的に一定の猶予を与えるための制度です。
次のいずれか遅い日まで、配偶者は無償で住み続けることができます:
たとえば、相続人全員で協議して「この家は長男が相続する」と決まるまでの間、配偶者がそのまま住み続けられるという仕組みです。
配偶者短期居住権は、当然に発生する権利ですので、他の相続人の同意や遺言がなくても成立します。
また、登記の必要もありません。
ただし、あくまで「一時的な居住」を保障するものであるため、遺産分割後は退去しなければならないこともあります。
| 比較項目 | 配偶者短期居住権 | 配偶者居住権 |
|---|---|---|
| 居住期間 | 原則6か月 or 遺産分割成立時 | 原則、配偶者の終身 |
| 発生の要件 | 自宅に住んでいた配偶者がいる | 遺産分割や遺言での設定が必要 |
| 他の相続人の合意 | 不要 | 必要 |
| 登記の必要性 | 不要 | 必要(第三者対抗要件) |
| 相続税評価 | 課税対象外 | 財産評価あり(控除効果も) |
このように、配偶者短期居住権は「一時的な居住の保障」、配偶者居住権は「終身の居住権の確保」と役割が異なります。
当事務所では、次のようなサポートを通じて、配偶者の居住環境を守るお手伝いをしています:
「まだ住みたいけれど、どうすればよいか分からない」
「他の相続人と意見が合うか心配」――
そうしたお悩みに、制度面からのアドバイスや書類作成支援を行っています。
大切な配偶者が、相続後に突然住まいを失ってしまうようなことのないように。
こうした制度を正しく理解し、ご家族の状況に応じて早めに準備しておくことが、安心につながります。
ご相談は初回30分は無料ですので、お気軽にご連絡ください。