前編では、「相続税はかからないだろう」と預貯金だけで判断せず、財産全体を確認することの大切さをお伝えしました。
中編では、不動産、生命保険金、生前贈与、各種特例など、税理士へ確認した方がよい具体的なケースを整理しました。
後編では、実際に税理士へ相談する際、どのような資料を整理しておくとよいかを考えます。
■まず財産の全体像を整理する
税理士へ相談する前に、完璧な財産目録を作る必要はありません。
まずは、分かる範囲で財産を整理します。
・預貯金
・土地、建物
・株式、投資信託
・生命保険金
・自動車
・そのほか価値のある財産
・借入金や未払金などの債務
こうした情報があると、相続税申告が必要となる可能性を確認しやすくなります。
「金額が分からないから相談できない」と考えず、不明なものは不明なまま整理しておくことも大切です。
■不動産関係の資料を準備する
不動産がある場合は、固定資産税納税通知書や固定資産税評価証明書、登記事項証明書、名寄帳などが参考になります。
土地については、所在地や面積だけでなく、利用状況などによっても評価の検討が必要になることがあります。
・自宅だけなのか
・貸している土地があるのか
・共有している不動産があるのか
こうした事情も税理士へ伝えておきたいところです。
■生命保険や生前贈与も伝える
生命保険金については、保険証券や支払通知書などがあれば確認しやすくなります。
また、亡くなる前に生前贈与があった場合は、その内容も伝えます。
・通帳の振込記録
・贈与契約書
・贈与税の申告書
・相続時精算課税を利用した資料
こうしたものが残っていれば準備します。
相続税では、亡くなった時点で残っている財産だけを確認すればよいとは限りません。
■遺産分割を決める前に確認する意味もある
相続税が関係する可能性がある場合、遺産分割をすべて決めてから税理士へ相談するより、内容を確定する前に確認した方がよいことがあります。
・誰が不動産を取得するのか
・誰が預貯金を取得するのか
・特例を利用できる可能性があるのか
・納税資金は確保できるのか
こうした点が遺産分割にも関係する場合があるからです。
また、相続税には申告期限があります。遺産分割が終わっていないことだけを理由に申告期限が延びるわけではないため、申告の可能性がある場合は早めに確認しておきたいところです。
■後編まとめ
税理士へ相談する際、最初からすべての資料を完璧にそろえる必要はありません。
まずは、預貯金、不動産、生命保険、生前贈与、債務など、分かっている情報を整理することから始めます。
そのうえで、不足している資料や追加で確認すべき財産を税理士と整理していく方法があります。
「相続税申告はたぶん不要」と自己判断して手続きを進めるより、判断に迷う要素があれば早めに確認する。
確認した結果、申告不要と分かれば、それも相続手続きを安心して進めるための大切な確認です。
■小樽つちや行政書士事務所でサポートできること
・相続人調査、戸籍収集支援
・相続財産、債務の整理支援
・財産目録の作成支援
・遺産分割協議書、確認書等の作成支援
・相続税の確認が必要な場合の税理士連携
・司法書士、弁護士等との連携