前編では、相続手続きでは、困ってからではなく、判断に迷った段階で専門家へ相談することも大切だとお伝えしました。
中編では、「もう少し自分たちで進めてから相談しよう」と考えた結果、手戻りが起きやすい場面を整理します。
■相続人を確認する前に話を進めてしまう
相続では、まず誰が相続人なのかを正確に確認する必要があります。
家族が把握している人だけで話し合いを進めた後に、戸籍を確認すると別の相続人がいることが分かる場合があります。
例えば、前の配偶者との間の子どもや、代襲相続によって相続人になる人がいるケースです。
その場合、それまで進めていた遺産分割の話を改めて整理しなければならないことがあります。
相続関係に少しでも不明な点があるなら、話し合いを進める前に戸籍を確認しておきたいところです。
■借金が分からないまま財産を動かしてしまう
預貯金や不動産がある一方で、借入金や保証債務が残っていることもあります。
「財産の方が多そうだから大丈夫」と考え、預金の解約や財産の処分を進めた後で、知らなかった債務が見つかることもあります。
相続放棄を検討する可能性がある場合には、財産を動かす前に慎重な確認が必要です。
借金の有無が分からない段階であれば、先に状況を整理してから進める方が安心です。
特に期限のある手続きが関係する場合は、後から判断を変えることが難しくなることもあります。
■協議書を作った後で不動産の問題が見つかる
家族で話がまとまり、
「自宅は長男が相続する」
と決めて遺産分割協議書を作った後に、別の土地や私道持分、共有持分などが見つかることがあります。
また、協議書に記載した不動産の表示が登記資料と合っていない場合もあります。
相続登記が必要な場合は、協議書を完成させる前に不動産資料を確認し、必要に応じて司法書士とも連携しておくことで手戻りを減らしやすくなります。
■遺産分割後に相続税の問題が分かる
遺産分割の内容を決めた後で、
「相続税がかかる可能性がある」
と分かることもあります。
不動産が多く、現金が少ない相続では、誰がどの財産を取得するかによって、その後の納税資金を考える必要が出る場合があります。
相続税が関係しそうな場合は、遺産分割を確定する前に税理士へ確認しておく方法があります。
■中編まとめ
専門家への相談が遅れると、すでに進めた手続きをやり直さなければならないことがあります。
・相続人が確定していない
・借金の全体像が分からない
・不動産の調査が終わっていない
・相続税が関係するかもしれない
こうした段階では、「もう少し進めてから」ではなく、一度立ち止まって相談することも大切です。
相続手続きは、先へ進めることだけでなく、進める前に確認すべきことを見極めることも重要です。
次回の後編では、行政書士、司法書士、税理士、弁護士など、相談内容に応じて専門家をどのように選び、連携して進めるとよいかを整理します。
■小樽つちや行政書士事務所でサポートできること
・相続手続き全体の整理、初期相談
・相続人調査、戸籍収集支援
・相続財産の整理支援
・遺産分割協議書、確認書等の作成支援
・司法書士、税理士、弁護士等との連携
・必要な専門家への橋渡し