前編では、遺産分割協議書を作る前に、被相続人が所有していた不動産の全体像を確認することについてお伝えしました。
中編では、住所と地番、土地と建物、共有持分など、協議書へ不動産を記載する際の注意点を整理しました。
後編では、署名押印前の最終確認と、相続登記まで見据えた進め方を考えます。
■署名押印の前にもう一度確認する
遺産分割協議書が完成したら、すぐ相続人へ送るのではなく、不動産部分をもう一度確認しておきたいところです。
例えば、
・登記簿上の表示と一致しているか
・土地と建物がすべて入っているか
・被相続人の持分は正しいか
・私道持分などが漏れていないか
・誰が取得するのか明確になっているか
こうした点を確認します。
相続人全員から実印をもらった後に誤りが見つかると、修正内容によっては再度署名押印をお願いすることになります。
遠方の相続人がいる場合は、それだけでも日数がかかります。
■印鑑登録証明書も一緒に準備する
遺産分割協議書を相続登記に使用する場合、相続人の印鑑登録証明書が必要になるケースがあります。
そのため、協議書を送る際には、
・どこに署名するのか
・どこに実印を押すのか
・印鑑登録証明書を何通準備するのか
・返送する書類は何か
まで案内しておくと進めやすくなります。
金融機関でも印鑑登録証明書を使用することがあるため、ほかの相続手続きも含めて必要部数を確認しておくと、取り直す手間を減らせます。
■司法書士へ依頼するなら完成前から連携する
相続登記を司法書士へ依頼する予定であれば、遺産分割協議書を完成させてから相談するのではなく、協議書案の段階で確認してもらう方法があります。
特に、
・共有持分がある
・私道持分がある
・複数の土地がある
・未登記建物がある
・登記上の住所と死亡時の住所が異なる
といった場合は、事前に確認しておくことで手戻りを減らしやすくなります。
行政書士が相続人調査や財産整理、遺産分割協議書の作成を行い、登記部分は司法書士と連携することで、手続きをつなげやすくなります。
■協議書の完成をゴールにしない
遺産分割協議書が完成すると、一段落したように感じます。
しかし、不動産がある場合は、その後に相続登記があります。
・協議書の作成
・相続人全員の署名押印
・印鑑登録証明書の準備
・司法書士への資料引継ぎ
・相続登記
ここまでを一つの流れとして考えておくことが大切です。
■後編まとめ
相続登記が必要な場合、遺産分割協議書は、相続人全員から署名押印をもらう前の確認が重要です。
不動産の表示、持分、漏れがないかを確認し、印鑑登録証明書なども準備します。
また、司法書士へ相続登記を依頼する場合は、協議書案の段階から連携しておくことで、完成後の修正や書類の取り直しを減らしやすくなります。
遺産分割協議書をゴールにせず、その先の相続登記まで見据えて進めておきたいところです。
■小樽つちや行政書士事務所でサポートできること
・相続人調査、相続関係説明図の作成支援
・不動産、預貯金等の相続財産整理支援
・名寄帳、固定資産税関係資料の確認支援
・遺産分割協議書、確認書等の作成支援
・相続登記が必要な場合の司法書士連携
・必要に応じた税理士、弁護士等との連携