親が亡くなった後、親名義の自宅が残ることがあります。
子どもたちはすでに別の場所で生活している。
相続人全員が道外や市外に住んでいる。
実家に戻って住む予定がない。
親の家を誰が相続するのかだけでなく、その後にどう扱うのかを考える必要があります。
前編では、相続人が決めておきたいポイントを整理します。
■誰も住まない家は、そのまま残る
相続手続きでは、預貯金の解約や名義変更に意識が向きやすいです。
一方で、不動産は手続きをしなくても、現地にそのまま残ります。
家の中の荷物も残ります。
郵便物も届きます。
固定資産税の通知も来ます。
雪が降る地域であれば、除雪や落雪の問題も出てきます。
誰も住まないからといって、何もしなくてよいわけではありません。
人が住まなくなった家は、管理しないと傷みやすくなります。
換気をしない。
水を通さない。
郵便物がたまる。
草木が伸びる。
雨漏りや破損に気づかない。
こうした状態が続くと、後から対応が大きくなることがあります。
■まずは方針を決める
親の家に誰も住まない場合、相続人間でまず決めたいのは、今後の方針です。
売却するのか。
賃貸に出すのか。
しばらく管理するのか。
解体するのか。
将来、誰かが使う可能性を残すのか。
この方針が曖昧なままだと、相続手続きも進めにくくなります。
誰が取得するのか。
取得した人が管理するのか。
共有名義にするのか。
売却代金を相続人で分けるのか。
方針によって、遺産分割協議書の書き方や、その後の手続きも変わります。
「とりあえず共有にしておく」という選択もありますが、後から売却や修繕をする際に、相続人全員の同意が必要になることがあります。
共有にする場合も、将来の管理や売却まで考えておくことが大切です。
■管理する人と費用負担を決める
親の家に誰も住まない場合、管理する人を決める必要があります。
鍵を誰が持つのか。
郵便物を誰が確認するのか。
電気、水道、ガスをどうするのか。
草刈りや除雪を誰に頼むのか。
近隣から連絡があった場合、誰が対応するのか。
固定資産税、公共料金、保険料、修繕費、除雪費用など、家を維持するための費用も発生します。
誰が支払うのか。
相続財産から支払うのか。
相続人の一人が立て替えるのか。
後で精算するのか。
費用負担の考え方も、早めに整理しておきたいところです。
■前編まとめ
親の家に誰も住まない場合、相続手続きは不動産の名義をどうするかだけでは終わりません。
家は現地に残り、荷物、郵便物、固定資産税、公共料金、火災保険、草刈り、除雪、近隣対応などの問題が続きます。
まずは、売却するのか、管理するのか、賃貸に出すのか、解体するのか、相続人間で方針を確認することが大切です。
誰が管理し、費用をどう負担するのかも整理しておく必要があります。
次回の中編では、親の家を空き家のままにする場合に、確認しておきたい管理上の注意点を整理します。
■小樽つちや行政書士事務所でサポートできること
・相続人調査、相続関係説明図の作成
・不動産、預貯金等の相続財産整理支援
・遺産分割協議書作成支援
・空き家となる実家の方針整理支援
・相続人間の費用負担、精算内容の整理支援
・必要に応じた司法書士、税理士、不動産会社等との連携