前編では、保証債務は亡くなった方本人の借入れとは違い、相続人が把握しにくい債務であるとお伝えしました。
中編では、保証債務が疑われる場合に、契約書、保証契約書、金融機関からの通知、会社資料などを確認する必要があると整理しました。
■相続人間で情報を共有する
保証債務があるかもしれない場合、まず大切なのは、相続人間で情報を共有することです。
一部の相続人だけが契約書や通知書を見ていて、他の相続人が内容を知らないままでは、今後の判断が難しくなります。
・誰の借入れを保証していたのか。
・保証人なのか、連帯保証人なのか。
・残高はいくらか。
・主債務者は返済を続けているのか。
・債権者から請求や通知が来ているのか。
こうした情報を整理し、相続人全員が同じ前提で話し合えるようにすることが大切です。
■相続放棄を検討する場合は早めに動く
保証債務の金額が大きい場合や、主債務者の返済が滞っている場合には、相続放棄を検討することがあります。
相続放棄は、一般的には、自分のために相続があったことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所で手続きをする必要があります。
保証債務が疑われる段階で、財産調査と並行して早めに資料を集めることが大切です。
相続放棄をするかどうかは、プラスの財産、借入金、保証債務、今後の請求可能性などを見て判断します。
■遺産分割協議だけで処理しようとしない
保証債務がある場合、相続人同士で「誰が負担する」と話し合うことがあります。
しかし、その合意が債権者に当然に通用するとは限りません。
相続人間では内部的な負担を決めることができても、債権者との関係では別に確認が必要になることがあります。
遺産分割協議書に書く場合でも、保証債務の存在、相続人間の認識、債権者との関係は慎重に整理する必要があります。
内容が複雑な場合は、別に確認書や覚書を作成し、相続人間の認識を残す方法もあります。
■専門家に相談すべき場面を見極める
保証債務は、金額や契約内容によって相続人への影響が大きくなることがあります。
特に、連帯保証人、会社関係の借入れ、不動産の抵当権、相続放棄が関係する場合は、早めに専門家へ相談した方がよい場面があります。
行政書士が相続財産や資料整理を支援する場合でも、相続放棄や債権者対応、法的紛争の可能性がある場合は、弁護士等との連携が必要になることがあります。
無理に相続人だけで判断せず、確認すべき点を整理して進めることが大切です。
■後編まとめ
保証債務がある場合は、まず相続人間で情報を共有し、契約内容、残高、主債務者の返済状況、債権者からの通知の有無を整理することが大切です。
相続放棄を検討する場合は、期限に注意し、早めに資料を集める必要があります。
また、保証債務は遺産分割協議だけで解決できるとは限らず、債権者との関係も分けて考える必要があります。
保証債務が疑われる相続では、プラスの財産だけでなく、将来請求を受ける可能性まで含めて確認することが大切です。
■小樽つちや行政書士事務所でサポートできること
・相続財産、債務、保証関係の整理支援
・金融機関、債権者への確認事項の整理
・相続人調査、相続関係説明図の作成
・遺産分割協議書作成支援
・相続放棄等が関係する場合の専門家連携
・必要に応じた司法書士、税理士、弁護士等との連携