兄弟姉妹が相続人になる場合、戸籍を確認していると「半血の兄弟姉妹」が関係してくることがあります。
半血の兄弟姉妹とは、父または母の一方だけが同じ兄弟姉妹のことです。
例えば、父は同じだけれど母が違う兄弟姉妹、母は同じだけれど父が違う兄弟姉妹です。
前編では、半血の兄弟姉妹がいる相続で、まず注意すべき基本的な考え方を整理します。
■「疎遠だから関係ない」とは限らない
相続の現場では、
「その人とはほとんど付き合いがありません」
「昔から別の家庭の人だと思っていました」
とお聞きすることがあります。
お気持ちとしては、とても自然なことです。
しかし、相続手続きでは、付き合いの有無だけで相続人かどうかを判断することはできません。
戸籍上、父または母の一方が同じ兄弟姉妹であれば、半血の兄弟姉妹として相続人になる場合があります。
たとえ長年連絡を取っていなかったとしても、また、ご家族の中であまり話題にされてこなかったとしても、戸籍上の関係があれば確認を省略することはできません。
ここで難しいのは、戸籍上は相続人であっても、ご家族の感覚としては「急に関係者が増えた」と感じやすい点です。
つまり、「親族としての付き合いがあるか」と「法律上の相続人にあたるか」は別問題です。
■戸籍を確認して初めて分かることがある
半血の兄弟姉妹は、ご家族の記憶だけでは分からないことがあります。
父母の前婚、認知、養子縁組、離婚後の出生など、戸籍をたどって初めて関係が見えてくることがあります。
特に兄弟姉妹相続では、亡くなった方本人の戸籍だけでなく、父母の戸籍を確認する必要があります。
そこで初めて、父母にどのような子がいたのかが分かります。
ご家族が把握している兄弟姉妹と、戸籍上確認される兄弟姉妹が一致するとは限りません。
ここが、兄弟姉妹相続で注意が必要なところです。
■相続分にも影響することがある
半血の兄弟姉妹がいる場合、相続分の考え方にも注意が必要です。
同じ父母を持つ兄弟姉妹と、父または母の一方だけが同じ兄弟姉妹では、法定相続分の扱いが異なります。
そのため、誰が全血の兄弟姉妹で、誰が半血の兄弟姉妹なのかを整理しないまま遺産分割協議を進めると、後から確認が必要になることがあります。
相続人の人数だけでなく、それぞれの関係性まで確認することが大切です。
■前編まとめ
半血の兄弟姉妹がいる相続では、疎遠であることや、家族内であまり話題になっていなかったことだけで、手続きから外してよいわけではありません。
戸籍上の関係を確認し、相続人にあたるかどうかを丁寧に整理する必要があります。
感情的な距離がある場合ほど、誰にどのような権利があるのかを、戸籍をもとに冷静に確認することが大切です。
相続では、気持ちの近さと法律上の関係が一致しないことがあります。
次回の中編では、半血の兄弟姉妹がいる場合に、戸籍収集や相続人調査でどのような点につまずきやすいのかをお伝えします。
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