相続のご相談では、
「相続人は妻と子ども二人です」
「兄弟はこの人たちだけです」
と、家族の認識がはっきりしていることがあります。
普段から関係があるご家族であれば、そう感じるのは自然なことです。
そのため、ご本人としては
「誰が相続人かは分かっているのだから、戸籍で改めて確認する必要があるのか」
と思いやすいところがあります。
しかし実務では、家族の認識と、戸籍上確認される相続人の範囲が必ずしも一致するとは限りません。
前婚のお子様がいる、養子縁組がある、出生から死亡までの戸籍を追うと別の事情が見えてくる、兄弟姉妹相続では代襲相続が絡む。
こうしたことは、決して珍しい例外ではありません。
相続手続きでは、誰が相続人かを「だいたい分かっている」だけでは足りず、戸籍によって客観的に確認できる状態にすることが必要になります。
これは単に形式を整えるためではなく、後の手続きやトラブル防止の土台になる大切な作業です。
特に、家族の記憶や認識は悪意がなくても抜け漏れがあり得るため、戸籍という公的資料で一度立ち止まって確認する意味は非常に大きいです。
今回は前編として、なぜ相続人が誰か分かっているつもりでも、戸籍で確認する必要があるのか、その基本的な構図を整理します。
ご家族が把握している相続人は、どうしても
「今つながりがある人」
を中心に考えがちです。
しかし相続では、現在の関係だけでなく、被相続人の出生から死亡までの戸籍上の経過を確認する必要があります。
そのため、普段の生活では意識していなかった前婚のお子様や、すでに亡くなった方の代襲相続人などが関係してくることがあります。
金融機関や法務局などの手続き先は、家族の説明だけで相続人を判断することはできません。
戸籍に基づき、法律上誰が相続人なのかを確認して初めて、手続きを進めることができます。
つまり、戸籍確認は形式的な作業ではなく、手続を動かす前提そのものなのです。
もし相続手続きが進んだ後に
「実は他にも相続人がいた」
となれば、大きなやり直しやトラブルにつながります。
戸籍での確認は、こうした後日の混乱を防ぐ意味でも重要です。
・家族の認識と戸籍上の相続人が一致するとは限らない
・相続では現在の関係だけでなく戸籍上の経過を確認する必要がある
・手続き先は戸籍に基づいて相続人を確認する
・戸籍確認は後のやり直しやトラブル防止の土台になる
相続人が誰か分かっているつもりでも、実務では戸籍による確認が欠かせません。
次回の中編では、実際にどのような場面で「思っていた相続人」と「戸籍で確認された相続人」にずれが生じやすいのか、典型例を整理していきます。
・戸籍収集など相続手続きの初動支援
・相続人調査、相続関係説明図の作成
・遺産分割協議書作成支援
・金融機関、不動産手続に向けた必要書類整理
・必要に応じた司法書士、税理士等との連携