相続の手続きは、「何から始めればいいのか分からない」という声が最も多い分野です。
葬儀の準備、役所への届出、銀行や法務局での手続き——。
やるべきことが多く、期限があるものも多いため、冷静に進めるためには全体の流れを知ることが第一歩です。
ここでは、一般的な家庭での相続実務を時系列で整理してみましょう。
感情的にも大変な時期ですが、行政手続きには期限があります。死亡届を出すと同時に、戸籍や保険証などを整理しておくと後がスムーズです。
この時期は、「相続放棄」や「限定承認」を検討する重要な時期でもあります。判断期限は3か月以内。財産調査を怠ると、知らぬ間に借金まで引き継いでしまう恐れがあります。
遺産分割協議では、相続人全員の同意が必要です。感情的な対立を避けるためにも、専門家の助言を受けながら、客観的に記録を残しておくことが大切です。
相続は、財産の手続きだけでなく、「家族のこれから」を整理する機会でもあります。
今後の介護・相続を見据えた準備をこのタイミングで始めるのがおすすめです。
当事務所では、「争族(争う家族)を防ぐ相続」をテーマに、
不安や迷いを感じたときこそ、専門家に相談することが安心への近道です。
次回【相続コラム100】では、これまでのシリーズを振り返りながら、“これからの相続のかたち”を展望します。